PsychoCabala〜第7の男〜
第一章 柳沼学園編
東京都中心。



ある施設の地下深く。



30代の男が、長く細く続く地下通路を一人歩いて行く。



その姿は、無精髭に寝癖と言う。
けっして清潔と言えない容姿だったが、
黒い細身のスーツに身を包んでいた。




タバコを加えた彼は小さな声でこう言った。




 「あー。二日酔い。」



突然、地下通路に『音の無い着信音』が鳴り響く。



その男はしかめっ面で携帯に出た。



「イナッチだ。おうっ。

だから、もう着くよ。

 すぐそこ。目の前まで来てる。」



そう叫ぶと、乱暴に携帯を切った。



「たっく。せっかちな奴らだ。

会長の野郎。なんで柳沼学園に『帯斗』なんて送り込む。

 奴にはまだ早いって。」



響き渡る地下通路に独り言い放つと、

男は仕方なく走り出した。



男が走り出したその先には重く黒光りする鉄製の扉が控えており。


扉の表面には『PC』と言う文字が浮かび出されていた。




< 1 / 314 >

この作品をシェア

pagetop