PsychoCabala〜第7の男〜

黒幕

いつもの様に帯斗は
日の当たる窓際で
机に顔を埋め込み
夢の中にいた。



周りの、ある男子生徒達が
帯斗を見つめ
話し合っている。



「だからさ、
夏休みの高校水泳選抜は
村上に出てもらわなくちゃ。
俺達だけでは無理だと思うんだよ。」



「だけどお前話しかけられるのか?
俺なんて
4月のクラス替え以降、
一言もしゃべったこと無いぜ。」



そんな話をしていたのは
クラスメイトで
水泳部の、
粥川と深見だった。



「まあな。
でも俺達は見ただろ、
インターハイ行って
いい気になってた3年の菅原先輩を
『校内水泳大会』で、
『体一個分あけて』
圧勝した1年の時の村上を。」



「ああ、あれは凄かった。
菅原の奴、
ショックでしばらく
こっちの世界に
戻って来れなかったもんな。」



二人は顔を見合せ

まるでスーパースターでも見る様な目で
帯斗を見ていた。




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