PsychoCabala〜第7の男〜
「アインシュタイン。」



色白の少年
『星野』がおもむろに言った。



星野の言葉に
黒髪の少年は
むくっと起き上り聞き返した。



「えっ。何?」



「アインシュタインの
相対性理論。

イナッチもそろそろ読まないと
エースに叱られるよ。」



『イナッチ』と呼ばれる
その黒髪の少年は



又説教すか。

と言う表情を見せ
春の穏やかな空を見上げ
相変わらず本を眺めている星野に言った。



「俺はパス!

そう言うのは星野に任せた。」



その後、イナッチは目をつむり
寝た振りをした。



その態度に星野は本を開いたまま
深いため息を突いた。

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