PsychoCabala〜第7の男〜
紙敷きとなった
男子生徒は目は大きく見開き
イナッチを頭上から睨んでいた。



呼吸も荒く、
大きく付き出した犬歯は
まるで牙の様になり、
その姿は猛獣のその物だった。



イナッチは上を見上げ
風船を膨らます。



「・・・あれ?この人

もしかして

『形態変化』してない?

この液体・・君のヨダレか。」



イナッチの
その言葉を合図に
紙敷きが勢い良く動き出した。



猛スピードで壁をつたり
向かう先は
イナッチでは無く、星野の居る方向だった。



!!!!


自分の方に来ると思っていた
イナッチは焦った。



そして即座に
右腕のリストバンドを取り
アザを出してこう叫んだ。



「星野ぉ!そっちだ!

早く陰を唱えろ!」



紙敷きは何故か近くに居るイナッチでは無く
星野を睨み付け
口を大きく開き、唸り声を上げながら
前へ進んで行った。



しかし星野は未だ
冷静で、
読んでいる本を閉じようとしない。



紙敷きと星野の距離
約1メートル。



紙敷きの鋭い爪が
星野の顔に伸びた。



星野から距離のある
イナッチが一瞬にして二人の間に潜り込む。

倒れ込む態勢になり
下から右手で思い切り
紙敷きを突き上げた。



『ドン!』



轟音と共に彼の体は
大きく跳ね上がり、
星野の頭上に舞い上がった。
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