PsychoCabala〜第7の男〜
その後も尚、イナッチは
舞い上がる彼を鋭い眼差しで追っていた。



高い位置からゆっくりと落下する
紙敷きを見つめイナッチは叫んだ。



「まだだ!」



青白い光を放つ右腕を押さえ込み、
しゃがみ込むイナッチからは
すでに力が抜けていた。



「やべー。
焦って力を集中しすぎた。」



額から汗が流れ出す。



紙敷きの目は相変わらず星野を睨み付け、
落下しながらも牙をむき出しにした。



そして星野の頭上に舞い降た瞬間。



彼は口を大きく開いた。



紙敷きの背中から
大量の『赤い光』が飛び散る。



彼は目を大きく痙攣させた。



そして体を大きく2、3度よじらせ
そのまま動か無くなった。



イナッチがその光景に
目をやった時には、
星野は左腕を自分の頭上にやり
彼をそのまま片腕で『空中』にとどめていた。




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