PsychoCabala〜第7の男〜
「陰は戦闘に入る前に唱えなきゃ。

イナッチ。

君は相手を軽く見る所がいけないよ。」



星野は左手を
上に上げたまま
冷静にそう言った。



空中に浮いたままの彼の体は、星野の手の動きに合わせて
ゆっくりと目の前の地面に横たわった。



イナッチは溜め息を付き
脱力感でそれを見つめていた。



星野は何事も無かったの如く
冷静に話し出した。



「あのタイミングで
彼の下に回り込んだのは
さすがだね。

集中した時の
君のスピードは凄い
人間技じゃないよ。

僕でも目で追い切れなかった。」



その冷静な言葉を
聞いたイナッチは

『やれやれ』と言う顔をし、
ゆっくりと立ち上がった。



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