PsychoCabala〜第7の男〜
イナッチは彼女に気付いた物の
何も無いかの様にそのままその前を通り過ぎようとした。



「・・・信仰熱心な事。」



素っ気なくそう囁き
出口へ向き直した。



だがイナッチは直ぐに立ち止り
右腕を見下ろすと
険しい表情でその腕を押さえ込んだ。



右腕から走る激痛。



こんな痛みは初めてだった。



素早く女生徒の方に振り返えると
教会から感じ取られる
『異様なオーラ』を睨み付ける様に見直した。



右手の『コム』がこのオーラに反応している。



いやむしろ『共鳴』か。



俺の右腕が彼女に対して何かを訴えている様に思える。



イナッチは教会の方へ足を向けた。



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