PsychoCabala〜第7の男〜
リカは怒りに震えた。


「大事な新人に・何をさせているのか・な・!!」



我を忘れたリカは、
帯斗の言い訳も聞かず、
右足を後ろに引き、腰を落とし『上段回し蹴り』の構えをとった。



やば。まじで、切れてる。

これを見て、慌てて帯斗も防御の構えをとったが



帯斗の後ろには壁が有り、後ろへ避けるのは不可能だった。



『この距離からのリカの蹴りは正直かわせん。』



リカは全国大会進出をほとんどこの『蹴り』で決めてきている。



そうとうの使い手でも、
まず最速で振り上がったリカの右上段は食らうだろう。



「こりゃ、食らっとくか。」



帯斗は諦めて、苦笑いをした。



その時。突然、帯斗の携帯が鳴った。


「・・・!?」



鳴ったと言っても性格には音は出ていない。



訓練された者しか聞こえない特殊な高周波音。



帯斗はこの特殊な携帯をもたされるのが嫌だったが


この着信音だけには体が勝手に反応してしまう癖が付いている。



自分の意思とは関係なく、リカの振り上げる足を見る目が鋭いものになっていた。

< 20 / 314 >

この作品をシェア

pagetop