PsychoCabala〜第7の男〜
星野はイナッチの言葉を無視した。



「君は言ってたよね。


決められた
人生はつまらないって。


だから、僕は変えるんだ
自分の手で。


その為には新しい能力がいる。


だから彼らを使って手に入れたんだ。


見せてあげるよ。


・・・それがこれさ。」



星野は横たわる彼女の体に
腕から放たれた一本の紅い光を向けた。



光が体に触れたと同時に彼女は小刻みに痙攣し
今まで固く詰むっていた
目を突然見開いた。



そして、
ゆっくりと立ち上がり
何も無かったかの様に髪をかき上げ、
イナッチに怪しく笑いかける。



彼女の目には力が宿り、
先程までの無機質な質感とは
まるで違っていた。



イナッチはその光景に更に震え出した。
その理由は、教会に入る前の異様なオーラの謎が解けたからだった。



イナッチは立ち上がる彼女に向かいこう呟いた。



「お前。まさか・・・星野か?」



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