ＰsychoＣabala〜第７の男〜

まて・・星野・・。


「だめだっ！」



何れくらいたっだろう。



イナッチが目を覚ますと
既に部屋の中は誰も居なくなっていた。



入り口に倒れていた
星野の本体も既に無い。



イナッチは頭の激痛に顔を歪め呟いた。



「神器・・奴は確かにそう言った。

だとすると本部が危ない！」



イナッチは血の流れ出す
頭を押さえ
勢い良く部屋を飛び出した。



その頃。



本部では
既に激しい警報が鳴り響いていた。



ＰＣ本部内には第一級警戒配備が引かれ。



中枢部は叫び合うエージェント達の声で埋め尽くされていた。



激しく走り回る人の群れが
事の重大差を感じさせる。



「最終防壁のパスをクリアーされました！！

モニターに出ます！！」



「バカな！
こうも簡単にセキュリティが解除されるはずが無い！」



無数に並ぶ
防犯カメラのモニターを
見詰めるエージェントの声と共に



不敵に通路を歩く
男女二人の高校生が頭上からモニターに映し出された。



「なんてこった。
まだ高校生じゃないか。」



その中の一人が恐怖におののき呟いた。



やがてモニターには、侵入者を阻止する
プロのエージェント達が
片腕から光を放つ二人の高校生によって
次々に吹き飛ばされる
生々しい映像が映し出された。



通路は血の海となり、
激しく人の叫びがこだます。



やがて二人は、
ＰＣと浮き彫りされた
『鉄の扉』の前にたどり着いた。



女性の方が
カメラを見つめ怪しく笑う。



それを合図に
メイン扉はゆっくりと動き出した。