PsychoCabala〜第7の男〜
「遅い・・・。」



彼が振りった後ろには、
そう呟く孔命が静に立っていた。



孔命が手に何かを持っているのが分かる。



紙敷きは慌てて自分の左腕を探った。



無い。



左腕がない。



同時に紙敷きの腕の付け根から
大量の血液が吹き出す。



「ガァァァァアー!」



「君は、殺し過ぎた。

・・・許さないよ。」



孔命の手には、切り取られた紙敷きの左腕が握られていた。



さらに孔命は彼を睨み付け
一気に間合いを詰めた。



残された右腕を
肘から上へ振り上げ
カウンターを狙う彼に
孔命は少しだけ首を動かし
それをやり過ごした。



そして



「海に還りな。」



と孔命が呟いた次の瞬間。



紙敷きの首は大きな弧を書き、
天井まで跳ね上がっていた。



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