PsychoCabala〜第7の男〜
首を失なった紙敷きの胴体から
噴水の様に吹き上がる血飛沫の横で



次に孔命は
彼女を睨み付けた。



星野はそれを冷ややかな目で見詰め
こう言った。



「やるなぁ。

でも、

イナッチ程では無い・・。」



言葉と同時に星野は
右の手のひらから
燃え上がる様な紅い光を
孔命に放った。



火炎放射の様に吹き出す光。



だが孔命は
咄嗟にそれを避けると
腰を屈め、瞬時に反撃の体勢に移っていた。



炎の先を睨む孔命。



!!?



光が止むと同時に星野の姿を見失う。



!!!!



孔命は顔を歪めた。


速い。捕られた!



孔命には全ての状況が直ぐに判断出来ていた。



駄目だ。

殺られる・・・。



今度は星野が孔命の後ろを取っていた。



動けぬ孔命の耳元で
星野は目を瞑り静かに囁いた。



「孔命。

君は、まだ若い。

生かしといてやるよ。」



星野が言葉を発した次の瞬間、
孔命の胸に熱い物が突き刺さった。



星野は紅く光る右手で
孔命の右胸を後ろからゆっくりと貫いたのだ。



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