PsychoCabala〜第7の男〜
イナッチがエースの部屋にたどり着くと
そこには凄まじい戦いの跡と
大量の血痕が飛び散っていた。



やはり、『神器』を護る
エースが狙われたか。



すぐに神器が保管してある
奥の隠し部屋へと目を移した。



すると暗闇の中から
右腕を押さえ
自分の返り血に服を真っ赤に染めたエースが現れた。



「エースさん!その右腕?!」



イナッチの叫びに
エースは静かに微笑んだ。



「イナッチ・・。無事か。

俺は大丈夫だ、直ぐにこっちに来い。」



エースは振り返り、又奥の部屋の中へと入って行く。



イナッチが中に入ると
そこには神器の前に
静かに佇む老人の姿があった。



「会長。」



エースの呼び掛けに
老人はゆっくりと二人に振り向き
哀しい目でイナッチに話し掛けた。



「お前も又、友を失い怒りに揺れるか。」



イナッチは膝間付いた。



その横でエースも同じく
老人に向かい頭を下げた。


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