PsychoCabala〜第7の男〜
眉間にシワを寄せ下を向く
佳代に、周りの人達は全く無関心だった。



痛みの中に
目まぐるしく
映像が浮かび上がる。



事故?


バス。


サイレン。


原付きバイク。


人々の叫び声・・・いけない。



このバスは・・・。



佳代は目を見開き、小さく呟いた。



やがて、バス停には
佳代がいつも乗っている
バスが止った。



それまで並んでいた人達は
普段と変わらない行動でバスに乗り込んで行った。



佳代は下を向き、一人置き去りになった。



佳代の後ろに並んでいた人達も、不思議そうに佳代を見ていたが
何事も無かったように
佳代を抜かしてバスに乗り込んで行った。



五分後。



佳代は我に帰った。



バス停には自分を先頭に
次のバスを待つ人々が並んでいた。



初めて見る顔の人達。



自分を戻した佳代は
頭を思い切り振り



はぁー。ストレス溜まってんなぁ。



と心の中で呟いた。


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