PsychoCabala〜第7の男〜
そのバスと
五分足らずしか
変わず出発した佳代のバスは



壮絶な光景を目の当たりにする事になった。



救急車もレスキューも到着したばかりなのか



応急処置もままならない状況だ。



ゆっくりと進む左側の車窓からは



バスから投げ出され無惨な姿で横たわる乗車客達が写し出されていた。



佳代は思わず手を口にした。



いつも同じバスに乗っている
顔馴染みの人達が
血を流し道路に横たわっている。



さっき目に入った
いつもと服装の違う
お姉さんがいた。



彼女は片足を引きずり
血まみれで泣き叫んでいる。



この光景・・・。



私は知っていた。



激痛の中に見たビジョン。



あのバスに乗らなかった理由。



分かっていたから。



あのバスが倒れる事を。



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