PsychoCabala〜第7の男〜
水谷と夏生は電話でこう話していた。



「夏生。
悪いな、変な事に巻き込んで・・・。」



本来、同じ警察組織であっても
捜査一課の者と
公安部の者が話をする事は
警察全体と極秘任務を取り締まる
公安の性質上
まずありえ無い事だった。



しかし、
大学時代より親友の様に付き合って来た
この二人に関しては別で
普段からよく連絡を取り合い、
情報交換をしている仲だったのだ。



「何言ってるです、水谷さん。

僕は水谷さんが
早く組織に復帰して
又管理官に戻って欲しいだけですよ。

それに、僕も

この杉原佳代って子に
少し興味が沸いてきましたし。」



「夏生。彼女が今回のバス事件で新宿署に来ると読んでたのか?」



「はい。
先輩に
東京に来ている杉原佳代をマークしろと頼まれてから、

彼女が今朝の事件に遭遇したのを見て、
必ず所轄の新宿署に顔を出すと思い
先回りしてました。


本当に彼女が現れた時には
『杉原と言う子が来たら僕に話を回してくれ』
と言う僕の『命令』を
話し半分で聞いていた所轄の刑事達が驚いて
全員振り返り彼女を見ていましたからね。」



「それも、お前の感か?

凄いなお前の感は・・・。」



「先輩は、まだ柳沼に見えるんですか?」



「ああ・・・。

今はまだ、詳しい話は出来んが
杉原佳代の事、頼んだぞ。」



そう言って水谷は夏生との電話を切った。

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