PsychoCabala〜第7の男〜
水谷は『あの日』以来、
柳沼学園には近づいてはいなかった。



あの悪夢の様な光景。



若干18才の少年に
今までのキャリアとしての
プライドを打ちのめされ



しかもあの公園で
『非物理学的』光景を目の当たりにし
自分の中の常識を保つのに精一杯だった。



どう動けばいい。



自問自答を繰り返し
それでも、柳沼学園に潜入も試みた。



が、近づく事が出来ない。


『視られている。』



柳沼の校舎には『奴』がいる。



『奴』が常に見張っている。



まるで柳沼の秩序を守る

『守護神』の様に



あの校舎に近づくと

『村上帯斗』

の冷ややかな眼差しが強く頭の中に浮かび上がる。



俺はビビってるのか?



水谷は、薄暗くなる前の
真夏の西陽を浴び
河川のベンチにたたずんでいた。


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