PsychoCabala〜第7の男〜
受付の連絡の後、

臼暗い通路の奥から一人の女性医師が歩いてきた。



その女性医師は白衣の上にお決まりの聴診器を垂らし、
短めのタイトスカートの先から細く長い足を覗かせていた。



佳代は、その外見に萎縮した。



「あなた?
今朝の事故に知りたいって。」



彼女の美しい容姿に見とれていた佳代は
その言葉に我を取り戻した。



「はっはい!」



明らかに格下的発言。



「記者の人。名刺もらえるかしら。」



女医はそう言うと佳代に名刺を求めた。



佳代は慌てて彼女に名刺を渡した。



そのやり取りを先程の受け付けが不振な顔で見詰めている。



女医は佳代の名刺を見て
ニヤリと微笑み、



「こちらへ。」



と一言だけ言った。



「待って!」



佳代が彼女に声を上げた。



「あなたの名刺。下さい。」



佳代は雰囲気に飲まれない様、
精一杯意地を張ってみた。



佳代の言葉に女医の威圧感は突然無くなり
彼女は上を向いてあどけなく呟いた。



「あっ。ごめんなさい。

私の名前は

『神宮寺エミ』。

今は名刺持ってないの。

宜しくね。

佳代ちゃん。」



その軽い彼女の言葉に
佳代はある事に気が付いた。



『佳代ちゃん・・・。

これ、言われるの今日二回目だわ。』


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