PsychoCabala〜第7の男〜

十番目の者

佳代の言葉にエミは冷静に話し出した。



「あなたは、あの柳沼の事件以来

ある組織によって
『強制的紙敷き』にされたわ。

でも、私達に近い遺伝子を持っていた為
その後も操作されずにいた。


帯斗からの報告により、
私達はあなたをマークしていたわ。


そして、『黒き教団の研究者』の予想通り

『能力者』へと開花した。


暗黒物質による
『人を越えた存在』に。


今回の事故は、あなたを開花させようとした


敵対組織『ダークマター』が起こした物。


彼等より先にあなたを確保できて幸いだわ。


このバス事故は、
おそらくあなたを戦闘要員として目覚めさせる為に
奴等が仕組んだ罠。



その証拠に
この事故に関わった人達は全員、
死んでしまった。


多分、口封じの為に。


原因もはっきりしない


『起きるはずの無い事故』で。」



エミが説明している横で
佳代は身震いしていた。



「あの。

じゃあ、私を開花させる為に

あの人達は死んでしまったの?

あの事故は私の為?





佳代はエミにすがる様に囁いた。


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