PsychoCabala〜第7の男〜
「カッ!」
一瞬だった。
瞬きよりも速く、二人は交わっていた。
佳代には二人の動きが全く見えなかった。
ただ気付けば二人の間に距離はなく、背を向けあっているだけだった。
外に大きく朱菊を突き出しす鉄心。
その後ろで赤兎馬を振り切り、
顔の前に持ち上げる全琵。
二人は暫く動かないままその場にじっとしていた。
やがて、全琵が自分の後ろで佇む鉄心にこう言った。
「俺の兄貴はどうしてる。
日本のサムライ・・・。」
その問いに、鉄心は目を瞑り静かに答えた。
「既に死んだ。
・・・あなた同様、見事な最後だったと聞く。」
「そうか・・・。」
言葉と同時に赤兎馬は赤く細い光と共に真っ二つに裂かれた。
鉄心は静かに朱菊を鞘に収める。
そして、立ち上がり後ろも振り向かず歩き出す。
その後ろで、
全琵の体は頭から真っ二つに割れ、
凄まじい血飛沫を吹き上げた。
その光景に佳代は手を口にやり、
悲鳴と共に倒れ込み気を失った。
慌てて、エミがポルシェに顔をやる。
しかし、既にそこには兜の姿は無かった。
静まり返る空間の中、鉄心がエミの前に近寄り何事も無かった様に語りかけた。
「すみません。
相手に失礼の無いよう、全力を出しました。」
エミは全てが終わったかの様に肩を撫で下ろした。
「いいのよ。この子もこれから、嫌と言うほどこう言う場面に出くわすわ。
・・・気にしないで。」
そう喋りながらエミは佳代の頭に手をやり、
髪を優しくなでていた。
一瞬だった。
瞬きよりも速く、二人は交わっていた。
佳代には二人の動きが全く見えなかった。
ただ気付けば二人の間に距離はなく、背を向けあっているだけだった。
外に大きく朱菊を突き出しす鉄心。
その後ろで赤兎馬を振り切り、
顔の前に持ち上げる全琵。
二人は暫く動かないままその場にじっとしていた。
やがて、全琵が自分の後ろで佇む鉄心にこう言った。
「俺の兄貴はどうしてる。
日本のサムライ・・・。」
その問いに、鉄心は目を瞑り静かに答えた。
「既に死んだ。
・・・あなた同様、見事な最後だったと聞く。」
「そうか・・・。」
言葉と同時に赤兎馬は赤く細い光と共に真っ二つに裂かれた。
鉄心は静かに朱菊を鞘に収める。
そして、立ち上がり後ろも振り向かず歩き出す。
その後ろで、
全琵の体は頭から真っ二つに割れ、
凄まじい血飛沫を吹き上げた。
その光景に佳代は手を口にやり、
悲鳴と共に倒れ込み気を失った。
慌てて、エミがポルシェに顔をやる。
しかし、既にそこには兜の姿は無かった。
静まり返る空間の中、鉄心がエミの前に近寄り何事も無かった様に語りかけた。
「すみません。
相手に失礼の無いよう、全力を出しました。」
エミは全てが終わったかの様に肩を撫で下ろした。
「いいのよ。この子もこれから、嫌と言うほどこう言う場面に出くわすわ。
・・・気にしないで。」
そう喋りながらエミは佳代の頭に手をやり、
髪を優しくなでていた。