PsychoCabala〜第7の男〜
佳代の気持ちを覚り、夏生は暫く黙っていた。



それは、そうだろう。
昨日までとはまるで違う世界。



戸惑うのも当然だ・・・。しかし、もはやこの子にとって教団に入る事が最善の選択。



その後、夏生はある話を佳代に聞かせた。



「少し、話をしてもいいかな。」



「えっ。」



「まあ、気軽に聞いてくれればいい。」



「はい・・・。」



佳代は弱々しく返事をした。



「昔、ある男の子が教団の施設に送られてきた。

その子は産まれてすぐに両親に捨てられてね・・・。

まだ、赤ん坊だった彼を教団は引き取った。

母親が育児放棄をしたんだね。

今でも、そんな事は珍しく無い。

でも、なぜその子を教団がわざわざ引き取ったか分かるかい?

その赤ん坊の右腕にはね。

三つの痣があったんだよ。」


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