PsychoCabala〜第7の男〜
「この写真からして撮影されたのは、おそらく昭和初期。

周りの密林らしき風景からしても
『青木ヶ原樹海』で間違いないでしょう。」



ハルがモニターを見詰め、確信付いた口調で言った。



「しかし、青木ヶ原樹海って一言で言っても、あそこは広いぜ。

溶岩から出来た鉄鉱石によって磁場も不安定だ。

それに高低差の激しい切り立った岩と湿気帯が、平衡感覚を狂わせる。

どう探すんだよ、イナッチ。」



ドラゴンの言う事は最もだった。



今や自殺の名所として知られている樹海は、
地元の探索隊でさえ迷う危険性がある。



ドラゴンの言葉にイナッチが微笑んだ。



「今更、樹海の磁場ごときで迷子になる様なヤワじゃないだろ。ドラゴン。」



イナッチのその言葉に正太とハルがクスリと笑った。


ドラゴンは正太を睨みながらイナッチに言い返した。


「でも、どうするよ。
何かいい案でも在るのかい?」



ドラゴンの言葉にイナッチは
正太を見て言った。



「あるさ。奴等には無くて、俺達には有る物が。
だろ。正太。」



正太はイナッチに聞かれる前に既に気付いていた。


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