PsychoCabala〜第7の男〜
三人が部屋を出た後も、何故か正太は部屋に残っていた。



その正太の様子に
ドラゴンとイナッチが顔を見合わせる。



「なんだ。正太。」



煙草を口に加えたままのイナッチが言った。



「あの・・・。」



イナッチには正太が何を言いたいのか、大体の予想は付いた。



「さっき、俺が杉原佳代を
『利用する』様な発言をした事か?」



「いえ・・・。」



「正太。この作戦に、俺が
『私情』を挟んでいる様に思うか。」



・・・・。



正太は黙り込んだ。



「先日『一琵』の口から
『星野』の名前が出た時、確かに俺は動揺していた。

だが

さっきお前達に見せた写真
『オーパーツ』。

あれを見た時、俺の
『胸騒ぎ』が始まった。

今回の奴等の目的、オーパーツ。

今の科学力を持ってしても解明仕切れない
『未知の物』を奴等は手に入れようとしている。

下手をしたらとんでも無い事を計画しているかもしれん。

『人類』を揺るがす、とんでも無い事をな。

お前は、まだ若い。

感情に流されるな。

今の俺は『冷静』だ。

多くの犠牲者を出さない為に。」



その言葉に正太は瞬き一つせず、頷いた。



「分かっています。イナッチさん。

ですがもう一つ、聞きたい事が。」



正太はイナッチに言った。


「何だ。」



「杉原佳代に『帯斗』の話をしました。

杉原佳代の教団入りは、帯斗の影響も大きいかと思います。

帯斗は一琵との戦いの後、どうしているんですか?

本部にも顔を出していない様ですし。」



正太が帯斗の話をすると
イナッチは突然、顔をしかめ、なげやりな表情で言い放った。



「あいつはバカだ!」



その言葉に隣で黙っていたドラゴンが思わず吹き出した。



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