PsychoCabala〜第7の男〜
暫くの沈黙の後、イナッチは帯斗について話し出した。


「あいつは今、本部の研究室に隔離してある。

一琵との闘いで、帯斗は一度『心停止』を起こした。

なのに、あいつは絶対安静の中、
エミとハルの目を盗んで行方不明になっていやがった。

言い訳はこうだ、

『水泳をしていました。』

そんな、バカな事をほざいたんで

俺が一発、思い切りぶっ飛ばしてやった。」



イナッチの話に正太が吹き出した。



「さすが、イナッチさんの
一番弟子。

帯斗。元気なんですね。」



「さあな・・・。
元気かどうかは分からん。

一琵から喰らった、オーラの波動。

そんな簡単に回復するもんじゃねぇ。

俺が、柳沼に隠れていたあいつを本部に呼び出してからは、
ベットの上で意識を無くしてる。

エミの話じゃ、体の『氣』の流れがうまくコントロール出来て無いらしい。

本来なら、『立ってるのもやっと』だとよ。

今のあいつは使えん。

戦力外だ。」



イナッチは天井を見上げて呆れるように呟いた。



< 295 / 314 >

この作品をシェア

pagetop