PsychoCabala〜第7の男〜
杉原佳代を以外、完全武装をした五人は
入口に入ってすぐの所にあるロビーの様子を伺った。



「どう思う。」



静かに呟くドラゴンの声に、その場で素早くキーボードを叩くハルが答えた。



「一見、何も変わり無い様に見えますが、

施設内の対人レーザーからは何も反応がありません。

これが、何を意味してるかと言うと・・・。」



「殺られたな。」



ハルの説明に鉄心が小さく呟いた。



その鉄心の言葉にその場に居た全員に緊張が走る。



「今日、我々がここへ到着し作戦開始の為、
3日前からここに送られた
先発隊教団の7人の姿が消えた。

恐らく、我々到着の時刻に表れないのを見ると
全員が殺られている可能性が高いかと。

・・・だとしたら我々の行動の先手を取られていますね。」



ハルは眉間にシワを寄せながら自分の見解を説明した。



ハルの言葉にドラゴンは



「バカヤロウ。

まだそうと決まった訳じゃねえ。

今から、施設内を探索する。」



と小さな声で呟いた。


その後、杉原佳代と
見張りのオブサーバー隊員一人を除き、
全員が連絡の取れなくなった7人の探索に回った。



その30分後。



佳代の隣に居たオブサーバー隊員のインカムにドラゴンから連絡が入った。



その隊員は
「はい。分かりました。
すぐそちらへ向かいます。」
とだけ言い、



「佳代さん。皆が見つかったそうです。

今から、そこへ向かいます。」



と、施設内部へ佳代を連れて歩き出した。



佳代は、その結末を予想しながらも、
ただ静かに隊員に付いて行くことしか出来なかった。

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