PsychoCabala〜第7の男〜
「うっ!」

胴体から切り離された腕や足、

ドアを開けた瞬間から匂う血生臭い異臭。



佳代はその場で嘔吐した。


部屋の壁中に飛び散った血痕を
指で冷静に伝うハルが
目を見据えて喋った。



「まだ、新しい。」



吐き続ける佳代をオブサーバーの彼は廊下へと誘導した。



ほぼ形の無い7人の姿を、残りの四人は険しく見詰め
拳を握り締めた。



「・・・対人反応ありません。

先発隊は・・・全滅しました。」



ハルの小さな声だけが部屋に響く。



「敵もこの施設にはもう居ないな。」



「はい。おそらく樹海に入ったかと。」



ドラコンが部屋に背を向け一言だけ言った。



「弔い合戦だ。」



その言葉を合図に、
全員が部屋に背を向けると施設外へと歩き出した。



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