PsychoCabala〜第7の男〜
施設を後にした六人はヘリへと戻った。



「ここからは、歩く。

各自装備しろ。

佳代には白石、杉下、お前等二人がサポートに着け。」



「はい!」



オブサーバーの二人、
白石と杉下はドラゴンの命令に銃のカートリッジを引き上げた。



ハルはヘリからリック型の電子機材を取りだし、背負った。



「ここから暫く、無線状況が悪くなります。

今の内に本部に連絡します。」



佳代は先程の惨劇を目の当たりにして以来、さすがに元気が無かった。



「いくぞ。」



ドラゴンがまず樹海へと入って行く。



佳代も虚ろな目で白石と杉下に支えられ
樹海の中へと入って行った。



日も暮れ薄暗くなる頃、切り立った溶岩の上を
飛び越える様に進む六人の姿があった。



「・・・しかし、そのオーパーツとやら、一体どこにある。

闇雲に動いても良知が空かんぞ。」



大業物日本刀『朱菊』を背中にまとった鉄心が言う。



「僕、正直苦手なんですよね。

こう言うサバイバルチックなの。

ほとんど平地は無いし、路面はコケで滑るし。

僕が選ばれたのって
ひょっとしてイナッチさんの人選ミスですかね?」



弱音を吐くハルに
ドラゴンは嫌みっぽく言い放った。



「バカヤロウ。

お前等みたいなインテリ専門はだからダメなんだ。

こんな悪路ですぐ泣き入んじゃねー。

自衛隊第一空挺団上がりの
白石と杉下の方が、
樹海じゃよっぽど使えるじゃねーか。

イナッチがこの『サバイバル』にお前を入れたのには
ちゃんと意味があんだよ。」



ドラゴンの嫌みに
ハルは岩山を飛び越えながら舌を出し言った。



「ドラゴンさんと一緒にしないで下さいよ。

僕は都会派なんですから。」



その愚痴っぽい言い方も
ドラゴンには解らないでも無かった。



< 305 / 314 >

この作品をシェア

pagetop