PsychoCabala〜第7の男〜
帯人の
その言葉を最後に三人は解散した。



霧子はカバンのナイフを帯斗に預けた。



学校の帰り道。

リカと霧子は夕暮れの河川敷を歩いていた。



霧子は帯斗の話を思い出していた。



「私が見た

『二人の男の足』が、
帯斗くんの言っていた
『暗黒物質を操ってる奴ら』
だとしたら。」



霧子は
そんな事に巻き込まれた自分が急に怖くなり、
思わずリカの手を強く握りしめた。



その霧子の不安に気付いたリカは

以外にも全く別の事を考えていた。



今日の話もそうだが、

最近の帯斗の不可解な行動は
昔には全く無かった事だ。

帯斗とは長い付き合いだが、
佳代先輩の事件以来
時々見たことも無い顔をする。

帯人に何があったのか

それとも、出会った時からそうだったのか。



・・・・・

しばらくの沈黙の後、
リカは自分の手を握りしめる霧子にこう言った。



「悩んでもしょうがないか。


霧子。帯斗はね。

帯斗は、
ひょっとしたら私達とは住む世界が違うのかもしれない。



・・・・・・



でも。



でもね。



あいつは、
昔から泣いてる女の子をほっとく様な奴じゃないよ。



大丈夫。



帯斗が絶対何とかしてくれる。」



リカは前を向いたまま霧子に言い聞かせた。



リカの真剣な眼差しを見た霧子は



「うん。」



と一言だけ言って、頷いた。



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