PsychoCabala〜第7の男〜
その報告後、

さっきまでの有田の剣幕は一切無くなり、

彼は何かを考えながら、
窓の外の
東京の街を見下ろした。



そして煙草に火を着けた後、
おもむろに水谷に言った。



「水谷くん。
君は宮内庁に知り合いは
いるかね?」



その意表をついた、突然の質問に
常に冷静な水谷も少し動揺した。



「・・・宮内庁ですか?
ええ。
大学時代の友人が何人かいますが。


それが何か?」



しばらくの沈黙の後
有田は言った。



「あそこは不思議な所でなぁ。


私にも同期で一人居たんだが、

宮内庁配属後は何故か
よそよそしい。
あまり連絡を取らりたがらんのだ。」



相変わらず意味不明な言葉に混乱したが
それでも
次期警視総監候補の有田に
水谷はなんとか話を合わせ様としていた。



「ええ、
私達も人の事言えませんが、
確かに配属後は宮内庁の友人からは
連絡がありませんね。」



意図の掴めない話に、
水谷の眉はつり上がった。


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