PsychoCabala〜第7の男〜

悪しき者。

6月の終わり。

梅雨。



最初の接触は、
相手からだった。



グレーに染まる雨の中を。
帯斗は、柳沼学園外周に一人でいた。



差し込む様な雨に、
帯斗は傘で顔を隠した。



極めて視界の悪い前方から
こちらにゆっくりと
歩いて来る二人組の男の影。



男達が傘を差していない事だけは分かる。



帯斗は
その禍々しい雰囲気を察知し
そして確信した。



傘の裾越しに二人を見つめ、
呆れるように
こう呟いた。



「ったく。めんどくせーな。」



一人は小柄な男。


もう一人は中肉で背の高い男。



双方とも、足を止めることなく
帯斗と男達の距離は
約5メートルに近付いていた。



帯斗が傘の先を上げる。

激しく打ち付ける雨に目を細める。

距離1メートル。



そして、帯人の傘は
空中を舞った。


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