PsychoCabala〜第7の男〜
二人が去った後、
帯斗は雨の中に立ち尽くしていた。


傘を拾おうとする左手から激痛が走る。



左手の手の平は焼けただれ、
皮膚が浮き出ていた。



帯斗の突然の興奮の原因はここにあった。



あの、右ストレート。



あのままやっていたら、
俺は勝ていただろうか。



『ダークマター』。


暗黒物質を名乗る何者か。


そして、俺の正体を知る者。



帯斗は小さく呟いた。



「ちっ。めんどくせーな。」



左手を強く握りしめ、

又、雨の中を歩きだした。

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