PsychoCabala〜第7の男〜
ある、港の倉庫。



そこは、長い間使われてない場所。



傷んだ屋根からは月明かりが差し込んでいた。



射し込む光に照らされた二人の男。



帯斗を襲撃した二人の男はそこにいた。



「村上帯斗!
奴は俺にやらせてくれ。」



背の低い方の男、
一琵は息を荒立てて、
もう一人の男、兜に叫んでいた。



「ハハ。君は彼が憎いようだね。


・・でも、ダメだよ。


僕達には、他にもやらなくてはならない事が沢山ある。


いいかい。

『依頼人』を裏切ってはいけないよ。」



そう言って
兜は掛けていた細い眼鏡を引き上げた。

< 70 / 314 >

この作品をシェア

pagetop