PsychoCabala〜第7の男〜
帯人は
気持ちの悪い顔で固まっている二人を見ながら
こう言った。



「ヤス。
・・次郎。

お前たち、合宿旅行に行きたいのか?」



その帯人の問いに
又、何か言われるんじゃないかと予想した二人は、



「もちろん、
行けたら行きたいです。・・」



丁重に答えた。



「そう。
・・・じゃあ、お前ら行ってこいよ。
俺、どうせ行けないから。」



そうあっさり言い放って
帯斗は
一番後ろの長椅子に寝そべった。



一瞬、帯人の言葉に全員が黙り込んだが



「何?帯斗くん、行かないの?」



とアキが、心配そうに口を開いた。



空気を察した
帯斗はニッコリ笑い。



「アキちゃんと旅行なんて、
死ぬほど行きたいけどさ。

・・・・ちょっとヤボ用があってね。残念。」



と、
おどけて見せた。



リカと霧子は、
そんな態度の帯斗に何かあったのだと直感し



「帯斗、
あんた、その左手の包帯、どうしたのよ。」



と心配そうに聞いた。



「何でもねーよ。」



帯人は相変わらずぶっきらぼうに答えただけで


その後一切、何も話さなかった。



「じゃあ!
私の水着姿いっばい撮って来てあげるね。
グラマーな奴!」



アキは帯人を気遣い
明るく振る舞った。



帯斗はそれにグーサインで答えた。

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