PsychoCabala〜第7の男〜
夕方。



生徒達が一斉に帰る頃、

1人の男子生徒が、
教室に残る帯斗の元へ訪れた。



名前は石橋徹夜。



去年の佳代先輩事件の時、
踪騒ぎになった中の一人だ。



帯斗は
彼の目付きに異常な物を感じたが



「何か?」



と素っ気なく言い放った。



徹夜は


虚ろな目で話し出した。



「前の事件の時、
僕を助けてくれたのは
君だよね。」



その言い方は脅えた様だった。



帯斗は『またかよ。』と言う顔をし



「面倒くさいんだけど、
そう言うの。」



と前を横切り
教室を出ようとした。



一瞬だった。



徹夜が帯斗の右肩を後ろから
掴んだ。



警戒していたのにも拘わらず
いとも簡単に自分に触れたこの男に
帯人は一瞬にして臨戦体勢に入った。



帯斗の脳裏に一琵にやられた『あの感覚』が伝わる。



帯斗は徹夜から一瞬にして、
『安全な距離』
まで跳んでいた。



背中から汗が流れ出したのがわかった。


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