ＰsychoＣabala〜第７の男〜
それから暫くして、
誰もいない柳沼学園に一台の車が到着した。



車から降り立ったのは、
黒いスーツを着た髪の長い女性。



彼女は、柳沼の校舎を見上げると



「懐かしいわね。」



と微笑んだ。



暗闇に包まれた教室で
帯斗とリカはそのヘッドライトに気が付いた。



横たわる石橋徹夜を見つめ、
リカは言った。



「ねえ、帯斗。一体何が起こったの？


佳代先輩や霧子みたいに、この人も
暗黒なんとかの影響なの？」



だがその質問に
帯斗は終始無言だった。



教室のドアが開く。



中に入って来る１人の女性にリカは目を奪われた。



「うっ。綺麗。」



女性はリカに笑いかけ、
ゆっくりと前を横切り、
何も言わず石橋徹夜の前にしゃがんだ。



そして横たわる徹夜を見て帯斗にこう言った。



「やっちゃったわね。」



帯斗は窓の外を眺めていたが、
何かに気付いたのか、



「エミさん。こいつを頼みます。」



と言って
突然、一人部屋を出て行ってしまった。



「ちょっ！帯人！」



出ていく帯人に唖然としたリカは、



『この状況で置いてくか普通』
と言う顔をした。



それを見ていたエミは、
クスッと笑いリカに話しかけた。
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