恋するキモチ
「先生は、彼氏いないの?」
「女性にそうゆうこと聞かないの」
七瀬先生はうまくはぐらかしたつもりで、マグカップに手を出したんだろう。

「松先のこと好きなの?」

グホッ…
お茶が胸につかえて、七瀬先生苦しそう。

「そっ、そんな、わけ、ないじゃない!」
否定した途端、箸を落とす。

なんてわかりやすい人なんだ。
こんな俺でもわかるって。
本気なの?

「怒るよ。松坂先生は確かに素敵ですけど、そんなんじゃありませんから。変な噂流したら承知しないよ。私の仕事なくなるんだから」
眉毛がピーんと上がる。
本気で怒ってるから。

「ごめんなさい」

本気じゃないんだよね?
< 107 / 267 >

この作品をシェア

pagetop