恋するキモチ
昼休みが終わって
わたしは
一通のメールを出した。



「きりつ」
日直の掛け声に、ごそごそと立ち上がるクラスメイト。
わたしも立ち上がり、メールを送った相手を見つめる。


ポケットの携帯が揺れ、慌てている徹平。


そう、わたしは徹平にメールを送ったんだ。
真っすぐには言えないから。
でも、わたしも前に進みたいから。


「れい」
ガタガタと座り始める。
徹平は座りながら、そーっとポケットから携帯を取出し、中を確認する。


ドキドキ ドキドキ
メールを見る徹平の顔を、少しうつむいて、わからないようにして見つめる。


読み終わった徹平が、こっちを見る。
目が合う。

次の瞬間、徹平は机の下で小さくVサインを出した。



よかったぁ…。
< 117 / 267 >

この作品をシェア

pagetop