恋するキモチ

「好きな人なんて、いないよ」

意外にもあっさりと徹平は答えた。


「こんな俺のこと、好きになってくれて、すごくうれしいよ」

「でもさ、好きになってもらったから、好きになるって言うの、何か変だと思うんだよね」

「俺、漠然と彼女がほしいとか思わないし。今は、好きな人とかいないから、誰とも付き合いたいと思わないんだ」

「今の俺は、走ることに夢中なんだよね。あとは目に入らない」


わたしは、ただ

徹平の言葉にうなづくだけ。