恋するキモチ
「ずっとスタートラインに立ってても、走らなきゃゴールできないんだよ。だから、がんばれよ」

「…うん」

それから篤朗くんは手を離してくれた。


「じゃ、俺、部活に行くから」
「がんばってね」
「おう。さんきゅ」

だんだん小さくなる篤朗くんの背中。



もう一度
篤朗くんが握ってくれた手を握ってみる。


心の底が
じわっと
あったかくなる。
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