恋するキモチ
「篤朗」
「なんだよ」
後ろから俺は声をかける。


「お前の好きな人って誰?」
「急になんだよ。俺のことはほっとけよ」
篤朗は振り向きもしない。


「俺、お前の恋、応援してやるから」
「マジでほっとけって。もう、急に色気づくなよ」

「なんでそんなに怒るんだよ」
「うるせーよ。今後、絶対に応援するとか言うな。言ったら友達やめるからな」

篤朗はどんどん自転車の速度を上げ、帰ってしまった。



篤朗?
一つほっとすると
また一つ悩みができて


ごめんな、篤朗。
お前の気持ち、察することができなくて。
俺たち親友のはずなのに。
< 211 / 267 >

この作品をシェア

pagetop