恋するキモチ

「お前、呼び出しといて、何だよ。頭おかしくなったか」
そう言って、俺を見下げる。


「俺、わかったんだよ。お前の気持ちも明梨の気持ちも」

「明梨ちゃん…お前に言ったの…」
平静を装ってた篤朗の顔が少しだけ変わった。


「俺、すごく反省してる。今まで明梨のこと、そんな風に考えたことなかったから。七瀬先生のこともあいつに打ち明けて、悪かったって…」

「そっか…でも、いいじゃん。明梨ちゃんの気持ち、受け止めてやれよ」
篤朗の顔がまた笑顔に戻る。


でも、俺は首を横に振った。
「できないよ。できるわけねーじゃん。お前の気持ちはどうなるんだよ！お前が明梨のこと好きだって、俺ようやくわかったんだよ。…ごめんな」