恋するキモチ
「謝んなよ」
「えっ?」

「徹平、別に悪いことしてねーから。それに俺のことは今、関係ねーだろ。俺のこと持ち出して、逃げんなよ」
そう言うと、篤朗は目の間にあった石を思いっきり蹴った。


「俺は逃げてなんかない。お前が明梨のこと好きだってわかってて、明梨に返事なんかできないよ」

「だから、それが逃げてんだよ!」

うぐっ…
篤朗に胸倉を捕まれた。
怒っている篤朗の顔が目の前にくる。


「まずは明梨ちゃんの気持ちだろ。それだけ考えろよ。どうなんだよ」
すぐに篤朗は俺のことを離し、背を向けた。
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