恋するキモチ
「明梨、お向かいのアパートに越してきた子、同じ中学だって言ってたから、今日迎えに行ってあげたら?」
「ええー!」

玄関先でお母さんがそう言った。


「嫌だよ。知らない子だし。男の子なんでしょ。そんなの学校まで一人で行けれるよ。私だって途中までいつも一人で行ってるんだし」

「でも、この辺りのこと知らないでしょ」
「嫌ですから」

困ったお母さんの顔をこれ以上見ていたら、情が移ってしまう。

わたしは、無視して玄関の扉に手をかけた。


全く…。



玄関を出たわたしの目に入ったのは

門のところに

立っている一人の少年。
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