一球に込める想い
「あれ、志貴？男子も今日からレギュラー戦？」


女子部長の安積が少し驚きながら言うと、志貴はため息をついた。


しかし、安積の後ろに一人女の子がいるのに気付くと問いただした。


「何よ、あんた。年下狙い！？」


安積があまりにも真顔で言うので、男子全員志貴を見た。


志貴は、いつからから持っていたハリセンで安積の頭を叩いた。


「この子は・・・、今日から女子テニス部のもう一人の副部長よ。一年の藤堂奏。」


安積は頭をさすりながら後ろにいた奏を志貴の前えと突き出した。


奏はしばらく志貴をみると部長、と言い安積へと向き直る。


「・・・早く部活したいんですけど。」


安積はその言葉に苦笑いをし、ほかの部員を連れてテニスコートへと移動した。


女子はそのまま試合へと入ったらしく、コートからは厳しいジャッジの声が響く。
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