HANABI
今まで同じクラスになったことがなかったから、よく見たことも、話したこともなかった。

ただ、振り返って見上げないと顔が見えない。それほど背が高いことが分かる。
スタイルがよくて、バスケがぴったりだな、って雰囲気から感じた。




「ロッカーに入れようとしたら、お前に直撃だから!! アハハ」

クシャッと笑顔を作ってそう言う旭。



「何それっ!!」
「悪かったって! あ、」

「ん?」

「颯斗!」

男友達が旭をよぶと、

「あ! わり、じゃ」
と言い残し、走っていったけれど。

何か言いたげだった表情が頭に残っていた。





「優花、大丈夫?」

「大丈夫。てか初めて話したんだけど」

「アハハ、初対面でぶつけられちゃったって、ウケるね」
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