HANABI
けれど、優花の隣は空白だった。

自分の席が決まっても、隣が決まらないのって何かドキドキして。


誰の名前が記入されるのだろう。
ずっと黒板を見つめていても、
いっこうに埋まらない隣の席。


「優花、一緒の班」

「ヒロヤ!」


声をかけてきたのは、

家が近く仲の良い男友達でもあり、幼なじみのヒロヤ。

チャラチャラしてそうな外見とは裏腹に、
中身は硬派で誠実な人。

野球部で日に焼けた肌がよく似合う。



「ねえ、優花の隣、誰?」

「わかんない、まだ決まってないみたいだね」


とうとう、空白の席は、ひとつになってしまった。
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