HANABI
応援するよ。
と言おうとしたけど、なぜかいえなくて。

言葉のかわりに笑顔でかえすと、旭は走っていった。
砂ぼこりでだんだん見えなくなってゆく後ろ姿が
たくましくて。



午前の部は、
創作ダンスに組体操など、
楽しさいっぱいで終わった。



お弁当を食べにテントを探すと、お父さん、お母さん、妹の鈴花が手をふっている。

「優花おつかれ〜!!」

「ありがと〜! おいしそう〜!! あっ、おばちゃんこんにちは」

隣には一足先に戻ってきたヒロヤと、
ヒロヤのお母さんがくつろいでいた。

「こんにちは!! 優花ちゃんダンス可愛かったよ〜」
「いやいやっ! ありがとうございます!」


勢いよく飲んだお茶は、疲れた体に染み渡るような冷たさ。

「午後は二人三脚だよね?」

「うん!!」

そう、出場種目の二人三脚。

「優花こけんなよ」
隣から響く嫌みな声。


「こけません。ヒロヤもね」

「俺は一位だから」

「優花も一位だし」
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