HANABI

けれど、用具係の仕事が待ってる。
最後の片付け。



「すいません、遅れました」

軽く挨拶をしてから
旗を戻しにいく。

すると、ヒロヤが既に到着していた。

「おっ! 優花マジでこけたね!!」

ヒロヤが明るく話しかけてくる。

「うん、マジ痛かったし」

旗を運び戻しながら話す。


「ハハハ。ドンマイ」
「ありがと。一位だったの?」

「あったりめーよ! てかめっちゃ痛そうじゃん。痛いだろ?」

「うん、超痛いよぉ。って、ただのケガだけど」



「保健室行って来いよ。特別に持って行くしさ」


そういえばさっき、養護の先生に「ケガ人の記録をするからまた来て」って言われたんだった。

「あ…じゃあ、ちょっと行ってくる。ごめんね。今度何かあげるから」
「おう。期待してないけど!」

ほんとヒロヤは優しいよ。
ありがとう。
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