HANABI
「失礼しまぁす…」

「いてー!」


「えっ!?」

先生しかいないと思っていたからびっくりして顔をあげた。
声のもとは、保健室にいた旭。



膝をケガしていて、消毒している。
「マジ…山原」

旭もびっくりした表情。

「旭…どうしたの?」
「ゴールテープに飛び込んでこけた」
「一位だったんだ」

「まあな。見てなかった?」

「優花こけたから、救護テントいた」

旭に言うのは、悔しいような恥ずかしいような気持ちがしたけれど。


「あ〜!! アハハハハ、マジ派手にこけたよな。見た見た」

そう言って旭は笑い飛ばした。


「優花ちゃんまだ痛む? 先生今日帰らなきゃいけないんだ」

救護の先生に、
「大丈夫です!! 記録かいときます」
と言って、記録をかいて。

「鍵は職員室に返しといてね。さようなら」
「さよなら〜」

優花は、旭の隣に座った。
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