HANABI
聞こえていたか分からない。
ただ、できるだけの声を絞り出した。

「颯斗…」




「ちょっと仲良くなれた」

颯斗は、ほっとしたように笑った。

そして、小さく話し出した。



「何かお前はね、関わりにくかった。」

「うそ?」


初めてそんなことを言われた。
驚いた。
今まで「話しやすい」とばから人に言われてきたから…。


思い返してみると。

体育祭練習が忙しかったとか、授業という授業がなかったとか、そんなことは言い訳だった。
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